牝馬・セン馬・高齢馬の買いどころ|性別・年齢別の成績を実測

牝馬・セン馬・高齢馬の買いどころ|性別・年齢別の成績を実測

「牝馬は牡馬より割り引く」「セン馬は狙いづらい」「高齢馬は買いにくい」。競馬では、性別や年齢についてさまざまな定説があります。
実際に調べると、牡馬の複勝率23.5%に対して牝馬は19.5%でした。差はたしかにあります。
この記事では性別と年齢ごとの成績を並べたうえで、「夏は牝馬」「セン馬は衰えるのが遅い」という2つの定説を実測で確かめます。

※過去のレース結果等のデータを独自の条件で集計・分析し、記事として編集しています。
出典:TARGET frontier JV

対象
JRA10場・平地(芝・ダート)
期間
2016年〜2026年8月9日/492,290走
性別
出走時点の性(牡・牝・セン)
年齢
JRAの馬齢表記

この記事の性別・年齢の見方

性別はそのレースに出走した時点のものを使っています。去勢を受けた牡馬はセン馬になりますが、去勢より前のレースは牡馬として、あとのレースはセン馬として数えます。いま現在の性別で過去にさかのぼって塗り替えることはしていません。
年齢はJRAの馬齢表記です。生まれた年を0歳とし、1月1日を迎えるたびにひとつ上がります。出馬表に出ている数字と同じものだと考えてください。

距離帯は、1300m以下を短距離、1301mから1700mをマイル、1701mから2100mを中距離、2101m以上を長距離としています。

※期間は2016年〜2026年8月9日までで、2026年は途中までの集計です。月別の表では、9月から12月の欄に2026年分が入っていません。
※生まれた年を確認できない958走(2026年の652頭)は、年齢別の集計から外れています。性別やクラスの集計には入っています。
※取消・除外となった馬は除いています。
※出走数10以下のマスは表に載せていません。数字が無いのではなく、信用できる数になっていない、という意味です。

性別ごとの成績

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
264,9278.0%23.5%74.7%7.4
206,0026.4%19.5%69.8%8.2
セン21,3615.3%17.6%71.0%8.6

勝率は牡馬8.0%、牝馬6.4%、セン馬5.3%です。ただし牝馬の数字には牝馬限定戦が含まれます。牝馬限定戦を切り離した見方は後の節で行います。

好走率は上記の通りですが、単勝回収率は、牡馬74.7%、セン馬71.0%、牝馬69.8%で、複勝率ほど大きな差は、ありませんでした。

芝・ダートと距離帯

複勝率(性別×芝ダート)

性別ダート
(計264,927走)24.1%22.9%
(計206,002走)20.4%18.5%
セン(計21,361走)16.4%18.5%

単勝回収率(性別×芝ダート)

性別ダート
72.4%76.6%
71.8%67.3%
セン70.6%71.2%

牝馬は芝で評価しやすい形です。複勝率は芝20.4%、ダート18.5%。単勝回収率も芝71.8%に対し、ダートは67.3%でした。
なお、セン馬だけは、ダートのほうが複勝率が高いです。

複勝率(性別×距離帯)

性別短距離マイル中距離長距離
(計264,927走)22.2%22.6%24.4%25.6%
(計206,002走)19.2%19.1%20.3%20.0%
セン(計21,361走)17.7%17.2%18.1%17.6%

単勝回収率(性別×距離帯)

性別短距離マイル中距離長距離
72.9%73.2%77.5%71.6%
70.3%70.1%69.4%62.9%
セン79.7%63.3%68.9%85.0%

牡馬は距離が延びるほど複勝率が上がり、長距離で25.6%。牝馬はどの距離帯でもほぼ横並びで、いちばん高い中距離が20.3%です。

クラスごと

複勝率(クラス×性別)

クラスセン
新馬(計41,295走)23.9%21.1%9.7%
未勝利(計179,798走)23.0%18.2%15.8%
1勝クラス(計138,878走)24.4%20.0%19.7%
2勝クラス(計64,280走)24.3%21.1%17.3%
3勝クラス(計29,566走)22.7%20.7%16.1%
オープン特別・リステッド(計18,225走)22.8%22.5%16.8%
重賞(計20,248走)20.7%20.0%14.4%

単勝回収率(クラス×性別)

クラスセン
新馬77.7%76.2%2.8%
未勝利72.4%67.2%81.7%
1勝クラス75.9%68.5%67.0%
2勝クラス74.4%74.8%70.0%
3勝クラス84.3%75.8%76.3%
オープン特別・
リステッド
73.1%63.1%78.0%
重賞68.2%74.0%69.1%

※この表の牝馬には牝馬限定戦が含まれます。重賞の牝馬には、ヴィクトリアマイルやエリザベス女王杯といった牝馬限定重賞での成績が入っています。

牝馬は未勝利よりも、重賞で高い単勝回収率を残しています。また、セン馬は複勝率はどのクラスでも3つの性別のうち最も低い位置ですが、単勝回収率では引けを取りません。

※新馬戦のセン馬は288走しかなく、デビュー前に去勢を受けた特殊な例です。数字は大きく振れます。

定説①「夏は牝馬」

夏になると牝馬が走る、とよく言われます。ここは牝馬限定戦を外し、牡馬と同じレースで走った牝馬だけを月ごとに並べます。

複勝率(月×性別・混合戦)

セン
1月23.2%16.3%16.4%
2月23.8%16.1%18.0%
3月24.3%15.4%16.7%
4月23.5%16.1%16.2%
5月23.2%17.5%17.5%
6月22.9%20.8%15.9%
7月23.4%22.7%16.5%
8月22.5%21.5%20.4%
9月23.3%20.9%18.5%
10月24.2%20.0%20.7%
11月23.9%17.3%17.1%
12月23.1%16.8%18.4%

単勝回収率(月×性別・混合戦)

セン
1月77.1%65.8%76.8%
2月72.9%69.4%74.1%
3月81.1%56.0%62.7%
4月80.2%63.2%49.4%
5月73.0%68.9%58.3%
6月69.9%85.3%72.1%
7月72.7%72.4%59.5%
8月69.8%79.6%70.8%
9月75.3%79.3%107.4%
10月74.6%66.6%84.8%
11月71.4%54.6%61.0%
12月76.7%66.7%90.2%

定説通りの傾向が、数字にも出ています。牝馬の複勝率は冬から春にかけて16%前後で並び、6月に20.8%へ大きく上がります。頂点は7月の22.7%です。

なお、この上昇は夏の3か月で終わらず、8月21.5%、9月20.9%、10月20.0%と、20%前後が10月まで続きます。11月に17.3%へ戻るまでが、牝馬の高い期間でした。牡馬の列は1年を通してほとんど動きません。

以下で、2歳戦が夏に始まるぶんの影響を外すため、3歳以上に絞ってもう一度集計しました。

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
牡(6〜8月)52,4567.4%22.3%71.1%7.4

(その他の月)
166,8458.0%23.3%76.0%7.4
牝(6〜8月)28,8167.0%20.8%78.6%8.1

(その他の月)
74,3305.4%17.1%66.4%8.6
セン
(6〜8月)
5,2315.1%17.6%68.1%8.7
セン
(その他の月)
15,5995.3%17.8%72.3%8.6

3歳以上に限っても、混合戦の牝馬は6月から8月で単勝回収率78.6%、それ以外の月で66.4%。同じ6月から8月で見ると、牝馬は数字が上がる一方、牡馬はそれ以外の月より低くなっています(夏71.1%、それ以外76.0%)。

複勝率(クラス×季節・混合戦の牝馬)

クラス6〜8月その他の月
新馬(計14,819走)26.0%19.3%
未勝利(計49,805走)19.5%15.5%
1勝クラス(計35,284走)22.6%17.2%
2勝クラス(計16,574走)22.8%19.3%
3勝クラス(計8,002走)23.4%19.6%
オープン特別・リステッド(計3,303走)26.6%20.4%
重賞(計2,352走)23.0%20.2%

単勝回収率(クラス×季節・混合戦の牝馬)

クラス6〜8月その他の月
新馬79.7%72.5%
未勝利76.6%60.4%
1勝クラス78.5%63.0%
2勝クラス75.1%78.6%
3勝クラス92.9%69.1%
オープン特別・
リステッド
80.9%60.9%
重賞98.9%67.1%

複勝率はどのクラスでも夏が上でした。
単勝回収率もおおむね夏の側が高いという結果になっています。いちばん差が開いたのは重賞で、夏98.9%、それ以外の月67.1%です。

年齢ごとの成績

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
2歳82,9457.8%23.3%72.5%7.4
3歳214,0047.7%22.1%72.3%7.7
4歳89,4858.3%24.3%73.6%7.1
5歳60,0736.0%19.7%77.1%8.1
6歳28,6163.8%14.7%68.1%9.3
7歳以上16,2092.2%9.7%60.1%10.8

複勝率は4歳の24.3%が頂点で、その後は右肩下がりです。
単勝回収率の頂点はずれていて、5歳の77.1%です。複勝率が落ち始める年齢のほうが、単勝回収率は高いという形になりました。

複勝率(年齢×クラス)

年齢新馬未勝利1勝クラス2勝クラス3勝クラスオープン特別・リステッド重賞
2歳(計82,945走)23.1%22.7%28.5%30.0%23.4%
3歳(計214,004走)19.4%19.9%25.6%36.8%39.2%27.4%21.1%
4歳(計89,485走)21.5%27.2%30.2%30.1%26.5%
5歳(計60,073走)18.3%19.1%21.1%24.0%22.1%
6歳(計28,616走)15.0%13.1%14.2%17.7%16.3%
7歳以上(計16,209走)11.0%9.2%8.1%10.9%10.3%

単勝回収率(年齢×クラス)

年齢新馬未勝利1勝クラス2勝クラス3勝クラスオープン特別・リステッド重賞
2歳74.7%70.2%83.6%68.4%68.2%
3歳83.3%70.2%76.0%80.0%72.2%67.6%65.5%
4歳71.6%76.4%80.2%66.2%72.6%
5歳68.8%77.2%90.8%83.4%84.7%
6歳60.9%66.2%74.1%73.8%70.7%
7歳以上48.9%56.8%72.7%61.5%55.0%

クラス構成の違いだけで説明できるかを見るため、同じクラス内でも比較しました。1勝クラスの複勝率は3歳25.6%、4歳21.5%、5歳18.3%、6歳15.0%。同じクラス内でも、年齢が上がるにつれて複勝率が下がる傾向が残っています。

定説②「セン馬は衰えるのが遅い」

去勢した馬は長く走る、という説があります。牡馬とセン馬の加齢の形を並べて確かめます。

複勝率(年齢×性別)

年齢セン
3歳(計214,004走)24.4%19.7%18.1%
4歳(計89,485走)26.9%21.2%21.8%
5歳(計60,073走)21.6%17.0%20.0%
6歳(計28,616走)15.3%13.4%14.7%
7歳(計11,158走)10.8%8.3%12.0%
8歳以上(計5,051走)7.6%6.3%7.3%

出走数(年齢×性別)

年齢セン
3歳110,53598,9274,542
4歳47,83036,7864,869
5歳31,96023,1184,995
6歳17,5307,5813,505
7歳7,7601,5581,840
8歳以上3,6862861,079

単勝回収率(年齢×性別)

年齢セン
3歳74.9%69.4%74.2%
4歳76.3%69.9%74.7%
5歳78.3%74.2%83.3%
6歳72.0%60.4%64.8%
7歳63.0%76.8%60.4%
8歳以上61.1%0.0%27.0%

複勝率の落ち方は、確かにセン馬のほうが緩やかでした。牡馬は4歳の26.9%から7歳の10.8%まで、16.1%下がります。セン馬は21.8%から12.0%で、下げ幅は9.9%でした。

その結果、7歳ではセン馬の複勝率12.0%が牡馬の10.8%を上回ります。4歳から6歳までは牡馬が上でしたが、7歳以降はセン馬の方が走るということになります。

ただし単勝回収率は別で、7歳はセン馬60.4%、牡馬63.0%。8歳以上ではセン馬27.0%まで下がり、牡馬の61.1%とは大きく開きます。高齢のセン馬は、複勝率のわりに単勝回収率が低い形です。

※これは年齢ごとに集団を比べたもので、同じ馬を追いかけた結果ではありません。
※去勢は多くの場合、デビュー後の年齢を重ねてから行われます。そのため高齢のセン馬は「去勢して現役を続けた馬」が集まった顔ぶれで、若い年齢帯のセン馬とは中身が違います。「衰えが遅いから数字が残る」という因果は、この表からは確かめられません。言えるのは、年齢が上がってもセン馬の複勝率は牡馬ほど下がらない、という実測の事実までです。
※8歳以上の牝馬は286走と少なく、この期間は1着がありませんでした。

高齢馬の買いどころ

7歳以上をひとまとめにしましたが、中身は一様ではありません。ひとつずつ割ってみます。

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
6歳28,6163.8%14.7%68.1%9.3
7歳11,1582.5%10.6%64.5%10.4
8歳3,7571.6%8.6%50.0%11.3
9歳以上1,2941.2%4.3%51.3%12.5

複勝率は6歳の14.7%から7歳10.6%、8歳8.6%と下がり続けます。

7歳以上×距離帯

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
短距離4,1512.4%10.0%72.1%11.2
マイル5,0191.9%9.0%47.2%11.1
中距離5,3172.2%9.8%60.2%10.4
長距離1,7222.3%10.3%68.7%9.8

7歳以上の中で単勝回収率がいちばん高いのは短距離の72.1%、次いで長距離の68.7%です。いちばん低いのはマイルの47.2%でした。複勝率の差は小さい一方、単勝回収率には大きな差が出ています。

7歳以上×クラス

区分出走数勝率複勝率単勝回収率平均人気
1勝クラス2,0012.5%11.0%48.9%10.1
2勝クラス4,6601.9%9.2%56.8%10.6
3勝クラス3,6991.9%8.1%72.7%11.2
オープン特別・
リステッド
3,2482.5%10.9%61.5%10.7
重賞2,6012.2%10.3%55.0%11.0

クラス別で最も高いのは3勝クラス、最も低いのは1勝クラスでした。
7歳を過ぎて1勝クラスにいる馬と、7歳を過ぎて3勝クラスにいる馬とでは、そこに至る道のりが違います。

主要な差がどこまで安定しているか

この記事でいちばん大きな差が出たのは、夏の混合戦の牝馬でした。その差が期間や一部の高配当に頼っていないかを確かめます。

複勝率(季節×期間・混合戦の牝馬・3歳以上)

季節2016〜2020年2021〜2026年
6〜8月(計28,816走)20.8%20.8%
その他の月(計74,330走)17.1%17.1%

単勝回収率(季節×期間・混合戦の牝馬・3歳以上)

季節2016〜2020年2021〜2026年
6〜8月82.3%75.6%
その他の月66.0%66.6%

期間を前半・後半に割っても結果は変わりませんでした。夏の牝馬の単勝回収率は2016〜2020年が82.3%、2021〜2026年が75.6%。それ以外の月は66.0%と66.6%です。どちらの期間でも、夏のほうが高い数字でした。

複勝率のほうはさらにはっきりしています。夏はどちらの期間も20.8%、それ以外の月はどちらも17.1%。季節による差は、10年を通してほぼ同じ形で出ています。

高配当を除外した場合とぶれ幅(混合戦の牝馬・3歳以上)

区分出走数単勝回収率最高配当1件を除外高配当上位5件を除外ぶれ幅

(6〜8月)の牝馬
28,81678.6%77.4%74.1%71.9〜85.9%
それ以外の月の牝馬74,33066.4%65.6%63.9%62.3〜70.9%

夏の牝馬は最高配当1件を除外しても77.4%、高配当上位5件を除外しても74.1%。いずれもそれ以外の月の66.4%を上回ります。
季節による差は、この期間のデータでは安定して出ていると言えます。

まとめ

  • 夏は牝馬:混合戦に出た3歳以上の牝馬は、6月から8月の単勝回収率が78.6%。それ以外の月は66.4%でした。
  • 夏だけではない:牝馬の複勝率は6月に上がり、10月まで20%前後が続きます。頂点は7月の22.7%でした。
  • セン馬は年齢が上がっても複勝率が落ちにくい:7歳の複勝率はセン馬12.0%と牡馬の10.8%を上回ります。

性別も年齢も、出馬表を開いた瞬間に分かる情報です。
夏の牝馬は走る、セン馬は衰えるのが遅い、どちらも数字上は定説通りという結果になりましたので、迷った1頭を後押しする材料として使ってみてください。

本記事の数字はJRA10場・平地(芝・ダート)の実測値です(2016年〜2026年8月9日、492,290走)。AI予想とは独立した過去傾向の分析で、的中を保証するものではありません。