ブラックタイド産駒の得意・苦手条件|距離・コース・馬場・脚質・クラス別に実測

ブラックタイドはディープインパクトの全兄ですが、産駒が残した数字の顔つきはかなり違います。人気以上に走れているのはむしろダートで、芝はクラスによって評価が入れ替わりました。そして産駒の出走が減るのと入れ替わりに増えているのが、父の父の欄にこの名前が入る馬です。どこで人気以上に走り、どこで足りないのかを、距離・コース・馬場・脚質・クラスの5つの軸から実測でまとめました。
※過去のレース結果等のデータを独自の条件で集計・分析し、記事として編集しています。
出典:TARGET frontier JV
- 対象
- JRA10場・平地(芝・ダート)
- 集計期間
- 2016〜2026年
- 産駒の出走
- 延べ5,909走(610頭)
- 父の父としての出走
- 延べ3,010走(401頭)
- 目次
- 産駒から父の父へ、主役が入れ替わる時期
- 距離でみる産駒
- コースでみる産駒
- 馬場状態でみる産駒
- 脚質でみる産駒
- クラスでみる産駒
- 父の父としてのブラックタイド
- 父父ブラックタイドと相性が良い母父
- キングカメハメハ
- まとめ
産駒から父の父へ、主役が入れ替わる時期
産駒の出走がいちばん多かったのは2016年の778走でした。その後も2021年までは700走前後で横ばいが続きます。減り方が急になったのは2022年からで、2025年は232走まで落ちました。
代わりに伸びてきたのが、父の父としての出走です。2021年に98走で立ち上がり、2023年には産駒を追い越しました。2025年は700走まで伸び、差はさらに開いています。ただしその中身はほぼ一頭分で、大半はキタサンブラック産駒です。馬柱でこの名前を見かける機会はむしろ増えていますが、並ぶのは父の欄ではなく一代うしろだということです。
| 年 | 産駒 | 父の父 |
|---|---|---|
| 2016年 | 778 | 0 |
| 2017年 | 690 | 0 |
| 2018年 | 695 | 0 |
| 2019年 | 724 | 3 |
| 2020年 | 736 | 2 |
| 2021年 | 695 | 98 |
| 2022年 | 501 | 468 |
| 2023年 | 437 | 594 |
| 2024年 | 321 | 614 |
| 2025年 | 232 | 700 |
| 2026年 | 100 | 531 |
延べ出走数。2026年は8月までの集計です。
以下、複勝率=3着以内率です。「人気以上に走れているか」は、同じ人気で走った馬全体の複勝率との差です。プラスならその条件で人気以上に走れている、マイナスなら人気ほど走れていない、という意味になります。この記事の「道悪」は重・不良を指します。
出走頭数が少ない血統は成績が偏りやすいため参考値としてご覧ください。出走頭数10頭以下は未記載です。
距離でみる産駒
| 距離 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 〜1400m | 918 | 17.0% | -0.1 |
| 芝 1401〜1800m | 1,264 | 16.3% | -1.7 |
| 芝 1801〜2200m | 948 | 20.0% | -0.1 |
| 芝 2201m〜 | 238 | 21.4% | +0.2 |
| ダート 〜1400m | 834 | 19.9% | +2.5 |
| ダート 1401〜1800m | 1,480 | 20.6% | +1.2 |
| ダート 1801〜2200m | 186 | 23.1% | +1.1 |
| ダート 2201m〜 | 41 | 14.6% | -5.9 |
評価すべきはダートの1400m以下です。複勝率は19.9%と水準そのものは高くありませんが、人気以上には走れています。1401〜1800mも同じく人気以上には走っています。芝は距離が延びるほど複勝率が上がり、1401〜1800mの16.3%に対して2201m以上では21.4%まで戻します。ただし芝はどの距離帯も人気との比較では横ばいから下で、複勝率ほどには頼りになりません。
コースでみる産駒
| コース | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 中京・ダート1400m | 66 | 24.2% | +5.6 |
| 東京・ダート1400m | 117 | 23.1% | +4.8 |
| 中山・ダート1200m | 143 | 19.6% | +4.6 |
| 阪神・芝1600m | 107 | 21.5% | +4.0 |
| 中山・ダート1800m | 286 | 22.4% | +3.6 |
| 中京・芝1600m | 71 | 8.5% | -5.4 |
| 阪神・ダート1800m | 216 | 15.7% | -4.7 |
| 小倉・芝1800m | 107 | 15.0% | -4.0 |
| 小倉・芝2000m | 105 | 16.2% | -3.5 |
| 東京・芝1800m | 106 | 11.3% | -3.2 |
上位に並ぶのはダートのコースです。中京のダート1400mは複勝率24.2%で、同じ人気帯の馬をはっきり上回りました。東京のダート1400mや中山のダート1200mも同じく人気以上の走りはしています。反対に下側は芝で埋まっており、中京の芝1600mは8.5%まで落ちました。小倉の芝1800mや東京の芝1800mも同じです。
※コース別は出走が散らばるため、出走の少ないコースほど数字の振れが大きくなります。出走の列とあわせて見てください。
馬場状態でみる産駒
| 馬場 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 良 | 2,618 | 17.6% | -0.8 |
| 芝 稍重 | 493 | 19.1% | +0.5 |
| 芝 道悪 | 257 | 18.3% | -1.5 |
| ダート 良 | 1,513 | 20.2% | +1.4 |
| ダート 稍重 | 529 | 21.0% | +1.5 |
| ダート 道悪 | 499 | 20.8% | +2.1 |
ダートは状態を問わず同じ人気帯の馬を上回ります。とくにダートの道悪は複勝率20.8%で、上積みがいちばん大きく出ました。良でも稍重でも20%台を保っているので、雨で嫌う必要はありません。芝は良馬場で17.6%。人気との比較でも足りず、渋っても数字は動きませんでした。
▶ ダートの道悪に強い血統は別記事で実測しています:ダートの道悪(重・不良)に強い血統|父系・種牡馬・母父・クロスを実測
脚質でみる産駒
| 脚質 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 逃げ | 279 | 34.4% | +0.1 |
| 芝 先行 | 1,001 | 27.9% | -1.8 |
| 芝 差し | 1,041 | 16.1% | -2.1 |
| 芝 追込 | 1,015 | 5.6% | -0.4 |
| ダート 逃げ | 158 | 38.6% | -0.6 |
| ダート 先行 | 693 | 41.1% | +3.6 |
| ダート 差し | 840 | 14.9% | +0.4 |
| ダート 追込 | 850 | 5.8% | +1.3 |
いちばん強いのはダートで先行できたときで、複勝率41.1%。同じように先行した馬をはっきり上回りました。反対に芝で差しに回った産駒は16.1%で、人気に届いていません。芝は先行しても上積みが出ないので、砂で前に付けられるかどうかがいちばんの分かれ目になります。
クラスでみる産駒
| クラス | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 新馬 | 369 | 21.7% | +2.8 |
| 芝 未勝利 | 1,122 | 17.8% | +0.2 |
| 芝 1勝クラス | 1,059 | 15.1% | -3.2 |
| 芝 2勝クラス | 390 | 17.9% | -2.2 |
| 芝 3勝クラス | 130 | 21.5% | 0.0 |
| 芝 オープン特別・リステッド | 120 | 25.0% | +4.0 |
| 芝 重賞 | 178 | 19.7% | +1.9 |
| ダート 新馬 | 87 | 16.1% | -0.6 |
| ダート 未勝利 | 992 | 22.0% | +2.3 |
| ダート 1勝クラス | 856 | 20.0% | +1.0 |
| ダート 2勝クラス | 366 | 21.3% | +2.3 |
| ダート 3勝クラス | 129 | 22.5% | +4.2 |
| ダート オープン特別・リステッド | 95 | 10.5% | -6.3 |
| ダート 重賞 | 16 | 0.0% | -9.8 |
芝とダートで形が入れ替わるのが、この血のいちばん面白いところです。芝はオープン特別・リステッドで複勝率25.0%と上積みが出る一方、出走の多い1勝クラスは15.1%で人気に届きません。ダートは逆で、未勝利から3勝クラスまでどのクラスも同じ人気帯の馬を上回りますが、ダートのオープン特別・リステッドでは10.5%まで落ちました。芝なら上のクラス、ダートなら条件クラス。そう覚えておくと迷いません。
父の父としてのブラックタイド
産駒が種牡馬に回り、父の父にブラックタイドが入る馬の出走は延べ3,010走まで増えました。ただし内訳は下の表のとおりで、ほぼキタサンブラック産駒の集計です。この節の数字は、ブラックタイドの血がキタサンブラックを通ったときにどう出たか、と読んでください。
| 父 | 出走 |
|---|---|
| キタサンブラック | 2,931 |
| コメート | 7 |
| サイモンラムセス | 5 |
父の父がブラックタイドの馬を、父ごとに数えた上位3頭です。
| 距離 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 〜1400m | 425 | 29.9% | +3.5 |
| 芝 1401〜1800m | 884 | 30.8% | -0.4 |
| 芝 1801〜2200m | 729 | 33.6% | +1.6 |
| 芝 2201m〜 | 176 | 31.8% | -2.2 |
| ダート 〜1400m | 204 | 17.2% | -5.8 |
| ダート 1401〜1800m | 505 | 30.3% | +2.4 |
| ダート 1801〜2200m | 79 | 26.6% | -2.3 |
| 馬場 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 良 | 1,763 | 31.5% | +0.7 |
| 芝 稍重 | 320 | 31.2% | +1.9 |
| 芝 道悪 | 131 | 33.6% | +4.7 |
| ダート 良 | 518 | 26.3% | +1.2 |
| ダート 稍重 | 163 | 23.9% | -6.2 |
| ダート 道悪 | 115 | 31.3% | +2.5 |
| クラス | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| ダート 重賞 | 17 | 41.2% | +21.8 |
| ダート 2勝クラス | 111 | 34.2% | +8.9 |
| ダート 新馬 | 22 | 40.9% | +7.4 |
| 芝 2勝クラス | 216 | 37.0% | +5.7 |
| ダート オープン特別・リステッド | 64 | 3.1% | -11.8 |
| 芝 オープン特別・リステッド | 63 | 23.8% | -10.2 |
| ダート 1勝クラス | 208 | 24.5% | -4.1 |
| ダート 未勝利 | 328 | 28.4% | -0.7 |
| コース | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 東京・ダート1600m | 52 | 44.2% | +14.0 |
| 中京・芝2000m | 107 | 40.2% | +7.0 |
| 中京・ダート1800m | 81 | 32.1% | +4.9 |
| 東京・芝2000m | 73 | 43.8% | +4.8 |
| 新潟・芝2000m | 22 | 4.5% | -21.8 |
| 新潟・芝2200m | 13 | 7.7% | -15.3 |
| 函館・ダート1700m | 18 | 16.7% | -12.2 |
| 中京・芝1600m | 62 | 29.0% | -1.1 |
一代下がると、得意な条件が入れ替わります。産駒の距離帯でいちばん頼れたのは砂の短いところでしたが、父の父ではダートの1400m以下がいちばん足りません。代わりに数字が残ったのは芝の1400m以下で、複勝率3割近くを同じ人気帯の馬より上で通しました。馬場は渋ったときが強く、芝の道悪は複勝率33.6%で上積みがいちばん大きく出ています。クラスでは2勝クラスが芝でもダートでも上積み側に来た一方、ダートの1勝クラスは人気ほど走れていません。全体としてはこうですが、母の父との組み合わせまで降ろすとさらに差が出ます。最後に、相性がはっきり出た母の父を見ておきます。
同じ母の父を持つ馬を、父の父がブラックタイドかどうかで分けて比べています。母父をそろえることで母父による差は抑えていますが、父そのものが入れ替わる比較でもあるため、配合だけの効果を示すものではありません。
父父ブラックタイドと相性が良い母父
キングカメハメハ
(父の父:ブラックタイドあり × 母父:キングカメハメハ)
母父がキングカメハメハの馬で比較すると、父の父がブラックタイドの馬は複勝率40.5%。父の父がブラックタイドでない馬の24.4%を大きく上回っています。
芝は距離を問わず好成績です。また、芝の1400m以下は同じ人気帯の平均複勝率を20.3%上回っており、人気以上の好走が特に目立ちます。
| 距離 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 〜1400m | 35 | 51.4% | +20.3 |
| 芝 1401〜1800m | 74 | 39.2% | +7.6 |
| 芝 1801〜2200m | 56 | 44.6% | +8.5 |
| 芝 2201m〜 | 33 | 24.2% | -1.5 |
| ダート 〜1400m | 28 | 46.4% | +11.4 |
| ダート 1401〜1800m | 35 | 37.1% | +6.2 |
| 馬場 | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 芝 良 | 150 | 39.3% | +7.8 |
| 芝 稍重 | 37 | 40.5% | +8.5 |
| 芝 道悪 | 11 | 54.5% | +22.9 |
| ダート 良 | 44 | 36.4% | +6.5 |
| コース | 出走 | 複勝率 | 人気以上に 走れているか |
|---|---|---|---|
| 中京・芝1600m | 11 | 54.5% | +15.7 |
| 阪神・芝2000m | 13 | 53.8% | +3.7 |
まとめ
- 産駒の出走は減り続け、代わりに増えているのが父の父の欄です。2023年に産駒を追い越しました。
- 芝なら上のクラス、ダートなら条件クラス。芝のオープン特別・リステッドは複勝率25.0%で、同じ人気帯の馬を上回りました。
- ダートのオープン特別・リステッドは10.5%まで落ちます。同じ格でも芝と正反対でした。
- ダートで先行できたときが最上です。複勝率41.1%で、同じように先行した馬をはっきり上回りました。逆に芝で差しに回ると16.1%にとどまります。
- ダートは馬場状態を選びません。道悪でも20.8%を残しており、雨で嫌う血ではありません。
- 父の父に回ると得意な条件が入れ替わります。ダートの1400m以下がいちばん足りず、芝の短いところと渋った芝に数字が残りました。
- 父の父として、相性の良さが目立った母の父は以下の1頭。
- キングカメハメハ:芝は距離を問わず好成績です。
本記事の数字はJRA10場・平地(芝・ダート)の実測値です(2016〜2026年、ブラックタイド産駒の出走延べ5,909走)。AI予想とは独立した過去傾向の分析で、的中を保証するものではありません。







